2024/11/03
初めての方ははじめまして、いつも見てくださってる方は感謝御礼、砂嵐です。
今回は新興国通貨がリピート系FXに向かない理由について書きたいと思います。
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目次
新興国通貨の特徴
新興国通貨は次のような特徴があります。
取引量が少なくボラティリティ(変動率)が高い
世界の外国為替市場の中で取引量が多いメジャーカレンシーと呼ばれる通貨は以下の5種類です。
米国ドル(USD)
欧州ユーロ(EUR)
日本円(JPY)
英国ポンド(GBR)
スイスフラン(CHF)
また上記に加えてFX取引では以下の通貨も加える場合が多いです。
豪州ドル(AUD、別名オージー)
カナダドル(CAD)
これら列挙した通貨は取引量が多いため、たとえ機関投資家が意図的に通貨安や通貨高に誘導しようとしても、値が急激に変わることは極めて難しいと言えます。
しかしメジャーカレンシーから外れている新興国通貨では取引量がどうしても少なく、ある機関投資家が集中してその国の通貨持っているという状況も珍しくありません。
機関投資家が一斉に通貨安・通貨高に誘導することも可能になります。
そうなると急激な値の変動が発生することがあり得る状況となります。
したがって新興国通貨はボラティリティが高くなる傾向にあります。
リスクオフの場面では売られやすく暴落リスクを常に抱えている
例えば世界的な金融危機がある場合だと、真っ先に売られるものの一つが高金利の新興国通貨です。
リスク商品を真っ先に売って安全な商品に買い替えるのです。
これが投資家が一斉に行うので、通貨を売る量に対して買う量が極端に少なくなって、結果通貨価値が暴落することに繋がります。
景気が上昇傾向の時はリスクを取って買う人が多いのですが、いざ下降になると想像以上の速さで売られて通貨価値が急激に下がっていくのも新興国通貨の特徴です。
金利が高いので、長期的には通貨価格が下落傾向を示す
皆さん、高金利な商品には魅力がありますよね。
たとえば”保有するだけで毎年保有額の20%分の利子が付きます。”という商品があれば投資したくなりますよね?
裏を返せば、それだけ金利を高くしなければ買う人が居ないという場合もあるわけです。
つまり相手方の信用力で買うかどうかが決まってくるわけです。
新興国は先進国に比べれば、信用という面で不利なので、なんとかして自国通貨を買ってもらうとしているわけですよね。
しかしこれはドーピングしているようなものなので、結局金利差のお得分は為替の下落で消えてしまうということになります。
そういう意味では新興国通貨は下落傾向になるんですよね。
南アフリカランドとアメリカドルの日本円とのレート比較
メジャーカレンシーの代表であるアメリカドル(USD)と取り扱う会社が多い新興国通貨の代表として南アフリカランド(ZAR)の2つの通貨の対日本円(JPY)のレートを比較してみたいと思います。
(出典:Investing.com)
(出典:Investing.com)
上がUSD/JPY、下がZAR/JPYになります。
どちらも過去約20年分の同じ時間軸で取ってあります。
違いが分かるでしょうか?
ZAR/JPYの方は短期間に区切ると上昇局面はありますが、どの上昇局面も過去の高値に届くことは無く、全体を通して下落傾向にあることが分かります。
いずれにしても利益が出しにくい
このように一方的に下落傾向の通貨でリピート系FXをやろうとすると、売り注文メインにポジション建てをしたくなりますよね?
通貨ペアの相手にもよりますが、大抵は日本円とのペアになるので金利差が大きくなり、日々のスワップポイントも大きい傾向があります。
しかも売りですとマイナススワップになりますので、日々スワップポイントの支払いを行わなければなりません。
そうなると仮に約定したとしても、マイナススワップの分だけ利益が減ることになります。
(それでも為替差益のほうがマイナススワップよりもはるかに大きくなる傾向がありますけどね)
そもそもリピート系FXの利点である”買いでも売りでも両方で利益を出せる”ということに反する注文になるので、この点で新興国通貨はリピート系FX向きでは無いと言えます。
余談:スワップポイント投資について
新興国を含む高金利通貨は、外貨預金のようなイメージで”買いポジションだけを持ってスワップポイントを稼ぐ手法、いわゆるスワップ投資”の方がメジャーだったりします。
しかし上記でのお話の通り、長期的には高金利通貨は下落傾向にあるので、結局含み損(為替差損)を持つことになります。
そして為替差損額の方がスワップポイントで貯まる額よりも遥かに大きいので、トータルとしては利益が出るどころか赤字確定なので、私個人はオススメしません。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回は新興国通貨がリピート系FXに向かない理由について記載してみました。
少しでも参考になることがあれば幸いです。
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それでは砂嵐でした、また次の記事でお会いしましょう。